耐震偽装の問題

土地と住宅を巡る問題、それに関する事件の歴史を振り返ってみると色々あったと思います。
その中でもまだ記憶に新しく、社会的にも大きな影響を与えたものに耐震偽装問題があります。

2005年に起こった問題ですが、当時は連日テレビのニュースや新聞などでも大々的に報道されていました。
記憶に新しい人も少なくないのではないでしょうか。

これがどのような事件だったかということをざっと振り返ると、家やビルなどの建築物を建てるときには必ず必要となる「耐震強度」というのがあります。
それを、ひとりの建築士が長年にわたって偽装していたというものでした。

家を建てるときには、担当の建築士がその建物の強度を計算し、安全であることを証明することになっています。
しかし、その証明の書類である「耐震強度構造計算書」の数値を改ざんして、本当に必要な強度よりもずっと低い状態のマンションをいくつも建ててしまっていた、という事件でした。

また、この事件をきっかけに他の建築士による耐震強度構造計算書の偽装も明るみにでるなど、とても大きな問題へと発展したのです。
問題となった建築士や他の建築士だけでなく、大手ホテルチェーンでも耐震強度の不足したビジネスホテルをそのまま営業していたことが明らかになりました。
問題となったホテルは営業を停止して耐震補強の工事を行うなど、その従業員やお客さん、付近の住民などにも影響の出る事態となってしまったのです。
いつも自分が泊まっていたホテルが耐震強度不足だったなんて、考えただけでぞっとしますよね。

この事件で問題となったマンションは、震度5強くらいの揺れでも倒壊する可能性があったと言われています。
東日本大震災では、関東地方であっても震度5強の揺れが複数回起こりましたから、もしもあの規模の地震が時間発覚前に起こっていたら大惨事になっていたということ。
そのくらい危険性の高い建築物を平気でつくっていたのです。

ほとんどの人にとって、住宅というのは一生に一度の大きな買い物。
その大きな買い物である住宅が、嘘で固められたものであったことが分かったら、夢と希望をもってマイホームの購入をした人にとってどれほど大きなショックでしょう。
しかもそれが、人名にかかわるような重篤な嘘であったのです。
このような偽装内容の大きさから大事件に発展した耐震偽装事件。
このようなことが再び起きないようにして、誰もが安心して家の購入をできるようになることが、不動産業界に身を置くものとしての願いです。